記録にも記憶にも残るクロフネの偉業

2001年11月24日、第2回ジャパンカップダート、1着クロフネと武豊騎手 写真/産経新聞社

 そのクロフネは生涯最後の2戦によって評価を一変させます。それがダートコースを舞台にした重賞レース、武蔵野ステークス(G3)とジャパンカップダート(G1、現在のチャンピオンズカップ)での爆走です。

 ダートコースでの実戦はわずか2レースであったにもかかわらず、その圧巻の走りは伝説となり、現在でもなおダートコースにおいて競馬史上最強とも評価されることになりました。

 引退後は種牡馬としても活躍。以前にご紹介したソダシ(白毛馬として史上初のG1馬)など多くの活躍馬を誕生させています。多くの名馬を誕生させたのち、今から4年前の2021年1月17日、クロフネは亡くなりました。23歳でした。

 フェブラリーステークスや米国ブリーダーズカップへの参戦は叶わなかったとはいえ、クロフネが日本競馬に残した航跡は色褪せるものではなく、その栄光とともにファンの心をダート競馬へと曳航し、その魅力を多くの人に知らしめてくれた功績に対し大きな拍手を贈ります。

 クロフネがダートコースで残した走破タイムは20数年を経た今も破られていません。新旧馬場の違いはあるでしょうが、今後ますます活躍が期待されるフォーエバーヤングには記録的にも記憶的にもクロフネの領域に肉薄してほしいものです。

 同馬は今年、サウジアラビアとドバイに遠征し、サウジカップとドバイワールドカップ(どちらもダートコース)に挑戦予定です。今から結果が楽しみでもありますし、新たな年にフォーエバーヤングを脅かすダートの新星登場にも期待したいところです。 

 まずは、ダートコースで行われる今年最初のG1レース、「フェブラリーステークス」を楽しむことにいたしましょう。

(編集協力:春燈社 小西眞由美)