過去の発言も蒸し返され…
突如、過去の言動を蒸し返された俳優もいる。韓流俳優のコン・ユは2005年、あるファッション誌とのインタビューで「一番素敵だと思う男3人は?」という質問に、朴正熙(パク・ジョンヒ)元大統領を挙げた発言が見つかり、世論の非難を受けている。朴正熙元大統領は韓国を産業化に導いた偉大な大統領だったが、任期中に3度も戒厳令を宣布したことがあり、進歩系支持者には「独裁者」と認識されている。結局、コン・ユは「慎重ではないワーディングだった」「有名人のゆえに発言が政治的に利用されるという気がする」と遺憾を表明せざるを得なかった。
来年2月の日本・東京公演が予定されているインディーズバンドの紫雨林(ジャウリム)のキム・ユナも、かつて福島第一原発の処理水放流当時のSNS投稿文が蒸し返された。
キム・ユナは福島原発処理水の1次放流が始まった23年8月24日、インスタグラムに「RIP(Restinpeace=故人の冥福を祈ります)地球」と書かれた写真を載せ、「数日前から私は怒りに包まれている。放射能の雨が止まず光も入らない映画の中のロスの風景、今日、地獄について考える」という投稿文を載せて、議論を呼んだことがある。そのキム・ユナが最近弾劾を支持する立場を示すと、弾劾反対派はキム・ユナの当時のSNS文を日本の公安当局に通報し、日本入国を禁止させようという運動を行っている。
「左か右か」「保守か進歩か」という陣営対立が深刻な韓国社会では、社会的影響力が大きい芸能人たちには沈黙することさえ許されずにいる。「味方か敵かはっきりしろ!」という強烈な同調圧力が彼らの両肩を押さえつけているのだ。