盛大なパーティー開催を後から知ったルノーCFO

 最終的な費用が出ると、総額で53万ユーロを超えていた。最も大きな出費はディナーだった。ケータリング費は11万5000ユーロに上り、その3分の1近くが有名シェフのデュカスに直接支払われた。請求書は大沼敏明(元日産の秘書室長)に送られ、秘密の番人である彼がRNBV(ルノー・日産アライアンス)の銀行口座から支払うことになった。

 このパーティーにかかった正確な費用はルノーと日産の社員には明かされなかったが、開催の噂を抑え込むことはできなかった。両社の役員たちは傷つき困惑していた。

 ルノーのCFOであるドミニク・トルマンもそのイベントについては開催後に初めて知った。月曜の朝にルノーのオフィスに出社したとき、宮殿での盛大なパーティーについて聞いたかと財務部の部下に尋ねられた。

「なんのパーティーだ?」とトルマンは返した。

(文中敬称略)

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