「3社連合」で部品メーカーにチャンスも

 資本関係で見ると、日本の乗用車メーカーは、広義のトヨタグループと、日産・三菱連合、ホンダの3グループに分かれている。

 広義のトヨタグループには、トヨタが出資するスバル、スズキ、マツダが含まれ、商用の軽自動車EVや車載OSなどプロジェクトごとに共同開発に取り組んでいる。トヨタがこれらの会社に出資したのも、EVや自動運転などの次世代技術には莫大な投資が必要となるため、「仲間」を増やすことで投資を回収しやすくする狙いがあるのだ。

 トヨタが筆頭株主のアイシンが12日、スバルとトラクションモーターの共同開発に取り組むと発表した。これもスバルがトヨタと提携関係を結んでいることで成立したビジネスと言える。同様に日産、ホンダ、三菱自動車の「3社連合」ができれば、実力のある下請け部品メーカーにはチャンスが広がる。

 自動車産業を城郭にたとえると、派手な天守閣が完成車メーカーであり、地味な部品メーカーが天守閣を支える石垣と言えるだろう。石垣が崩れれば天守閣は傾くわけで、すなわち日本の自動車部品産業が弱体化すれば、日本の完成車メーカーの競争力も必ず弱くなる。そうなれば、自動車は日本の基幹産業ではなくなるかもしれない。