愛子さまの公務を行う原動力、両陛下への率直な「感謝の言葉」
就職されてからは、青少年のボランティア活動を支援する部署に配属され、先輩社員から仕事を教わりつつ課せられた業務にまい進。多忙な日々を過ごされていた。
そして初めての単独での地方公務は、9月28日から2日間の予定で能登半島地震の被災地への訪問と発表された。しかし、その直前、記録的な大雨が石川県を襲い、大きな被害が発生したことを受けて、やむなく取りやめとなってしまった。
被災地の人々の役に立ちたいと考えられていた愛子さまにとって、単独公務の取りやめは心残りであったことだろう。
一方で、ご両親である天皇皇后両陛下をできる限りお助けしていきたいとも述べられ、両陛下の負担を軽減したいという思いも強い。
その思いが芽生えていったのは、愛子さまが2歳の時、雅子さまが適応障害との発表があり、療養生活に入られたことと無関係ではないだろう。公務を果たしたくても、それをすることができない雅子さまのお姿を愛子さまはそばで見てこられた。陛下がお一人で公務に臨まれることも増え、成年皇族になったらお母さまを支えたいとずっと思い続けてこられたように感じる。
「両親は、私の喜びを自分のことのように喜び、私が困っているときは自分のことのように悩み、親身に相談に乗ってくれるような、私がどのような状況にありましても、一番近くで寄り添ってくれるかけがえのない有難い存在でございます」(成年の記者会見)
両陛下への率直な感謝の言葉は、愛子さまの公務を行う原動力とは何かを物語る。今日まで育ててくれた両親への恩返しであったが、社会人となられてからは、さまざまな経験をされ、内親王として成すべきことへの責任感が生まれていったように思う。
それだけ両陛下と愛子さまの絆は、社会人となって以降、強くなられているものと拝察する。