SNSには、その人の閲覧履歴やフォロー先などから興味・関心がありそうな分野をピックアップし、「おすすめ」として表示するシステムがあります。すると、「YouTubeを見ても、Facebookを見ても、Xを見ても、自分と同じ意見の人がいる」という現象が起こります。
こうした現象は「エコーチェンバー」(直訳すると「反響室」)と呼ばれていて、自分と同じ価値観を持った人たちが集まる狭いコミュニティで、似たような意見に触れ続けていることで、自分の意見が世間的に正しいものだと信じ込んでしまうのです。こうした仕組みを知らずに、自分の意見を肯定してくれる存在を求めてSNSに依存していくと、特定の思想により偏りやすい流れができてしまいます。
陰謀論にハマらないためには
では、年老いた親が陰謀論にハマらないためにはどうすればいいのか。まず気を付けたいのは認知症や精神疾患の存在です。ただの加齢現象ではなく、認知症や精神疾患が原因で特定の思想に偏ってしまう可能性もあります。かかりつけ医を持って、定期的に認知機能検査を受けるように促すことも検討してみてください。
また、普段から何気ないことでも親に感謝の気持ちを伝えて、自己肯定感を高めてもらう、孤立させないようにするという気遣いも大切です。投資などで高額な資金の移動をする場合は、「ある程度以上の額(100万円など)を使う場合は家族に相談する」と決めておくとよいでしょう。
老親が投資話や陰謀論にハマりやすくなるのは、年齢的に致し方ない側面もあります。それを怒ったり無理に変えさせたりするのではなく、サポートできるようにしておくことが大切です。