真美ちゃんがついた嘘
さらに吉田氏は、彼女の“芸能活動”について話を振った。真美ちゃんによれば、大手芸能事務所バーニングに所属して、女優やモデルの仕事を3年ほどしていると説明した。
「凄いですね。業界有数の事務所じゃないですか」
吉田氏は大袈裟なほどヨイショしたという。
そして、
「じゃあ川井さん(仮名)をご存知ですか?」
と尋ねた。
すると真美ちゃんは、
「社長は周防さんですが、私は特別に周防さんに可愛がられているので、川井さんという方は知りません。タレントさんはたくさんいてスタッフさんも多いので、誰それを知っているかと言われても……」
真美ちゃんは笑顔でそう答えた。彼女の言う「周防さん」とはバーニングの周防郁雄社長のこと。「芸能界のドン」とも称される大物で、一般的にもその名は知られている。だが、吉田氏が振れた「川井さん」のことは知らないという。吉田氏はそれで真美ちゃんがウソをついていると確信したという。
「キミ、ウソをついているね。川井さんはバーニングの番頭さんで会社のナンバーツーだよ。バーニングの人間で川井さんを知らないなんてあり得ないよ」
川井さんは、週刊誌などに頻繁に名前が出るような人ではないが、世話好きで知られ、業界でその名を知らない者がいないほど大物だった。残念ながら昨年亡くなっている。
吉田氏の指摘で顔面蒼白となった真美ちゃんは、最期には野崎氏の前でウソを認めた。ついでに言えば、さらに20代後半と自称していた年齢も実は10歳以上もサバを読んでいたことも認めた。
これによって野崎氏の真美ちゃんに対する思いは急速に冷えていった。