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コロナで制限された外国人の入国が続々解禁

 これは「秋の珍事」である――。

 先週金曜日(11月1日)、中国外交部の定例記者会見に臨んだ林剣報道官は、会見のおしまいに、声高らかに述べた。

「中国と外国の人員往来をさらに便利にするため、中国はノービザ(で中国に入国できる)国家の範囲を拡大することを決定した。来たる11月8日から、スロバキア、ノルウェー、フィンランド、デンマーク、アイスランド、アンドラ、モナコ、リヒテンシュタイン、韓国の9カ国の一般旅券を持っている人に対して、2025年12月31日までの間、中国を訪問して、経済ビジネス、旅行観光、親族訪問、友人訪問などを行う際に、15日を超えない範囲で入国のビザを免除する」

 このように計9カ国に対して、一方的な入国ビザの免除を発表したのである。

11月4日、韓国人旅行者に対する中国の一時ビザ免除プログラムの実施を4日後に控えて多忙を極める、韓国・ソウルにの旅行代理店中国部門の職員たち(写真:Yonhap News Agency/共同通信イメージズ)
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 中国は2020年から2022年まで、厳格な「ゼロコロナ政策」を敷いて、外国人の入国を厳しく制限してきた。それを昨年から、再び「開国」したが、表向きは「相互主義によるビザ免除」を掲げてきた。

 これは、「あなたの国が中国人のノービザでの入国を認めるなら、中国もノービザであなたの国の国民を入国させる」という措置だ。中国は、19世紀半ばから外国に侵略された「屈辱の100年」を経験してきたため、外国との「対等な関係」に、ことのほか敏感なのである。