福岡県行橋市にある旧百三十銀行行橋支店(行橋赤レンガ館)(写真:Asturio Cantabrio, CC BY-SA 4.0, ウィキメディア・コモンズ)福岡県行橋市にある旧百三十銀行行橋支店(行橋赤レンガ館)(写真:Asturio Cantabrio, CC BY-SA 4.0, ウィキメディア・コモンズ)

短編映画をみたような余韻を残す、大分むぎ焼酎二階堂のCM。2024年10月に公開された新作(30秒バージョン)の撮影場所(ロケ地)をほぼ特定した。

(牧村あきこ:土木フォトライター)

 数十秒の動画が、まるで一編の映画を鑑賞したような余韻を残すことがある。大分むぎ焼酎二階堂のCMはまさにその代表格で、感性に訴えかける映像詩が遠い記憶を呼び起こす。

 このCMは毎年新作が作られていて、この数年、公開後にそれぞれのシーンの撮影場所(ロケ地)を特定するのが楽しみになっていた。場所を探し出すのは多少のテクニックが必要だが、基本的にはキーワード検索や画像検索を行って絞り込んでいく。

 そして、2024年10月に最新作「記憶の赤レンガ」篇が公開された。テーマは古いレンガ。レトロなインフラ土木に萌える私の大好物である。CMの30秒バージョンでは、12の古(いにしえ)のレンガたちが登場する。

 今回も大部分の撮影場所(ロケ地)を特定できた。以下ではCM映像で流れるシーンの順に、実際のロケ地を紹介していこう。

レンガ塀と民家 0:00~0:05ごろ

 冒頭から2つのレンガ塀が登場する。特に最初のシーンは、レンガ塀とレンガ造りの蔵が存在感を示す。撮影されたのは、盛夏だろうか。残念ながら、場所は特定できなかった。

【追記:2024/11/2】
 2024/11/1に二階堂の公式サイトを確認したところ、撮影場所(ロケ地)が公開されていて、冒頭と2番目の民家の場所が判明した。そのほかの場所は特定したとおりだった。とくに大町煉瓦館があっていたのがうれしい。

 冒頭の場所は福岡県添田町だった。行ったこともないのに既視感のある、不思議な場所だ。もっとも、どこか懐かしく、そしてほのかに切ないというのは、二階堂のCMの共通項でもある。

 こちらは2番目、福岡県古賀市の民家のレンガ塀。

牛津赤れんが館 0:06ごろ

 佐賀県小城市牛津の宿場町にある商家、明治時代に造られた旧田中丸商店のレンガ造りの倉庫だ。切妻屋根のゆるやかなカーブが、いい感じ。