「ネタニヤフはバイデンの言うことには耳を貸さない」

 これとは対照的に、トランプとネタニヤフとの関係は極めて良好で、ネタニヤフがこの7月にアメリカを訪問した際もトランプの実質的な自宅であるマー・ア・ラゴに招かれ、親密な話し合いをした。

 さらにこの10月半ばに今度はトランプの方からネタニヤフに電話を入れ、イスラエル・ハマス戦争等について話し合ったが、この電話会談の後でトランプは、記者団に対して、「ネタニヤフはバイデンの言うことには耳を貸さない」と述べた(その後イスラエルの総理府は、米国側の反応に顧慮して、「ネタニヤフがそこで言ったのは、イスラエルは、米国がなんと言おうと、自国の利益を第一に考えて、必要な措置を取る権利がある」と述べただけだと修正したが)。

 このように、バイデン・ネタニヤフの関係とトランプ・ネタニヤフの関係は、見事な対照を示しており、そのような中で、ネタニヤフが、民主党政権政権を利するようなことはまずしないであろうと容易に推測できる。

 いずれにせよ、今回の大統領選挙は極めて拮抗しており、小さな「オクトーバー・サプライズ」でも、勝敗に大きく影響を与える可能性がある。投票日まで2週間を余すところとなった今、日々の動きを注意深く追いかけていく必要があろう。