アマゾンには、「デリバリー・サービス・パートナー(DSP)」と呼ぶ、宅配業の起業を支援するプログラムがある。今回は同プログラムに参加する宅配業者と協力し、数百時間におよぶ実験を行った。その結果、ドライバーの感じる身体的及び精神的な負担が67%軽減され、1回の配送ルート当たり30分超の時間短縮に成功した。
アマゾンは、「世界中で39万人を超えるDSPのドライバーと、Amazonの配送車両10万台以上が毎日数百万個の荷物を配達する中、VAPRはドライバーの時間と労力を大幅に削減できる」と今回の成果を強調した。
英ロイター通信によれば、VAPRのような識別支援システムはアマゾンの物流倉庫にも導入されている。
同社の倉庫では、自動移動式の商品棚に光を当て、商品を識別している。従業員は一箇所にいながら、それらの商品をピックアップしてケースに入れる作業を行っている。以前は狭い通路をカートを押して歩きながら商品を探していた。その1日当たりの歩行距離は16キロメートルに上っていた。
AI活用の買物支援機能も
イベントではこのほか、AIを活用した買物ガイド機能「AI Shopping Guides」を紹介した。米国では既にモバイル向けのショッピングアプリやウェブサイトで提供を始めた。同社はショッピングアプリ内で商品購入支援のチャットボット(自動対話システム)「Rufus(ルーファス)」も提供している。
アマゾンは傘下のスーパーマーケットチェーン「Whole Foods Market(ホールフーズ・マーケット)」に「マイクロ・フルフィルメントセンター」と呼ぶ小型倉庫を設置する計画も発表した。例えば、店内で買い物をしながら、ホールフーズで取り扱っていない商品をスマホアプリで注文できる。アプリで注文した商品は数分で用意され、レジでまとめて受け取れる。