トランプとバンスと米国人の「血と土」、ペットを食べる移民のデマに隠された計算

移民問題はまだハリスの弱点

　世論調査によると、大半の米国人はまだ移民に対してオープンだ。

　だが、移民の流入を制御し、合法的な移民に絞ることを求めている。これは有権者が考える民主党と共和党の立場のほぼ中間だ。

　移民問題は今もハリスにとって弱点だ。その意味では、先日のテレビ討論会でハリスはトランプを相手に健闘しすぎたくらいだった。

　見事なスキルでトランプの注意をそらしたために、トランプはジョー・バイデンの「国境責任者」としてのハリスの役割について討論できなかったからだ。

　ハリスはこの問題に真正面からぶつかる必要がある。

　トランプとバンスは生身の人間を使ってロシアンルーレットをしている。だが、選挙は倫理観を争うコンテストではない。

　盗まれたペットのデマに対する2人の冷笑主義は、見た目ほどの自傷行為にはならないかもしれない。

（文中敬称略）