イチローの引退会見の発言も引用…スポーツ紙はどう差別化したか

 日刊スポーツは、大谷選手の健康管理に関する記事を終面で紹介した。これは、大谷選手が試合後に左上腕に巻く「WHOOP(ウープ)」と呼ばれるデバイスが、大谷選手が重視する睡眠の質を管理し、体のリカバリーを可視化していることを取り上げ、大谷選手の活躍の背景にコンディション調整があるエピソードを明かす記事だ。

 また、大リーグ研究家・福島良一氏が、大谷選手が投手に復帰す来季以降に「20勝―50本塁打」を同一シーズンにマークできる夢の可能性に言及した記事を掲載した。

 スポニチの終面は、元メジャーリーガー、イチロー氏が5年前の引退会見で大谷選手について語った内容をクローズアップした。

「投手として20勝するシーズンがあって、その翌年に50本(塁打を)打ってMVPを獲ったら化け物ですよ。でも、翔平はそれが想像できなくはないですからね」というコメントを引用し、50本塁打と確実視されるMVPの部分に焦点を当て「イチ5年前の予言が現実に『50発でMVP獲ったら化け物』」との見出しを付けた。

 サンスポの1面では、大谷選手がメジャー7年目で初となるポストシーズン進出を決めた話題に関連した内容に着目。クラブハウスに集まったチームのメンバーたちがクラスシャンパンで乾杯した際、大谷選手がスピーチを促された場面を紹介した。

 大谷選手がこのときに英語で「みんな、ありがとう。きょうのことを僕と一緒に祝ってくれて、本当にありがとう。ポストシーズン進出を決めて、特別な日になりました。まだまだ、いくぞ!」と話したスピーチ部分を、見開いた終面に英文字と日本語訳を載せた。

 報知は1面で、過去にいないDH専任でのMVP獲得を「確定的」と踏み込み、球団の公式SNSが「ONE OF ONE(比類なき、唯一無二)」との称号を与えたという内容とともにたたえた。また、報知の1面下では、大谷選手のスポンサー企業である寝具メーカー、西川が、大谷選手の快挙に合わせた広告をタイムリーに掲載していた。