米国のIT大手・アップルの新型スマートフォン「iPhone 16」が2024年9月20日、日本でも発売になりました。「16」の4機種にはいずれも独自の生成AI(人工知能)サービス「Apple Intelligence(アップル・インテリジェンス)」を搭載するなど、大きな話題を呼んでいますが、最近は高額になりすぎたことや目ぼしい新機能がないことなどから、iPhone人気にも陰りが出ていると言われています。「iPhone離れ」は本当でしょうか。「AIスマホ」競争にiPhoneは勝てるのでしょうか。現状をやさしく解説します。
発売日にアップルストアに列
iPhone 16シリーズが発売された9月20日、都内のアップルストアなどには早朝から新機種を求める人が列をつくり、表参道店など一部の店舗では開店時間を大幅に繰り上げるなどして対応しました。
今回新しく発売されたのは、「iPhone 16」と「16 Plus」、「16 Pro」、「16 Pro Max」の4種類。いずれも「Apple Intelligenceを前提にした新しい世代のiPhone」をうたっています。
ただし、この生成AIは当面、英語にしか対応しておらず、日本語に対応できるようになるのは2025年になってからです。一方、「16」シリーズはカメラの機能が向上したとしてユーザーの注目を集めています。
気になる販売価格はどうなっているでしょうか。
シリーズ最安値のモデル「iPhone 16」(容量=128GB)の国内販売価格は12万4800円(アップルストア直販)で、ひと世代前の「15」と同じ価格です。iPhoneに関しては最近、「ブランド力はあるが、高過ぎる」といった声が広がっていることなどから、ユーザーの買い控え対策として、米国などと共に価格据え置きの戦略を取ったようです。
これに合わせて、国内の携帯大手4社は、それぞれ独自の販売条件を設定しました。ソフトバンクはオンラインで購入し、かつ、1年後に下取りに出すことなどを条件に、実質税込みで1万9836円という価格を設定。NTTドコモも1年で下取りに出すなどした場合、負担額は実質3万5640円となるプランをつくっています。
調査会社MM総研によると、128GB「16」が販売された主要39カ国・地域の直販価格(円換算)では、日本の12万4800円が3番目の安さでした。日本より安いのは中国の11万9800円、次いでタイの12万4500円。世界平均は14万7000円となりました。
そうした世界最安値クラスの日本で、いま、iPhone離れが起きていると言われているのです。本当でしょうか。