石破氏の金融所得課税強化はNISA拡充とセットか
9月下旬に予定されている自民党総裁選については、正直、マーケットへの影響を懸念する声はあまり聞かれません。強いて言えば、高市早苗氏は安倍晋三元首相の路線を引き継ぎ財政拡大を進めるとみられており、利上げには否定的だろうとの見方があります。
他方、石破茂氏は富裕層に対する金融所得課税を強化するといった発言で注目を集めました。これはそもそも新NISA導入の頃から議論の俎上に上がっていたテーマではないかと推測しています。
富裕層に対する金融所得課税を強化するのなら、おそらく、NISAの非課税枠の拡大とセットになるのではないでしょうか。そうすれば、NISA以外での投資が圧倒的に多い富裕層への課税を強化しつつ、非課税枠内の投資でこと足りる一般の個人投資家はさらなる恩恵を受けることができます。
マーケットが大きく反応するのは、想定外の事態です。この先イベントが続くということは、それだけ想定外の事態が起きる可能性が高いということです。足元では落ち着きを取り戻しているマーケットも神経質にはなっており、何かあれば日経平均が「二番底」に陥ることは十分にあり得ると思います。
もし、そうなったときは、8月初めの大暴落で学んだ教訓を思い出してください。決して、あせって資産を投げ売りするようなことはしないことです。長期投資の観点でいえば、今こそ「買い」のタイミングと受け止め、落ち着いて地道に積立投資を続けることが大切です。
まずは、来週の日米の金融政策決定会合に注目です。