首都圏の地震で注目すべきは伊豆諸島の動き

 首都圏の地震で注目すべきは、伊豆諸島(ほぼ直線で約1700km続く火山諸島)の動きです。首都圏の地震はMJルートでやってくる熱エネルギーで引き起こされるからです。しばしば火山が噴火するので、地下が熱く、ところどころに約1000度の溶けたマグマがあるようです。

 伊豆諸島の活火山群の土台は、東西幅が250kmほどある伊豆海嶺と呼ばれる海底から盛り上がった山脈です。

 火山帯の地下の様子を説明しましょう。

出所:『南海トラフM9地震は起きない』(角田史雄・藤和彦著、方丈社)
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 陸の八ヶ岳、富士山、伊豆半島から、南の海底の火山までの地下は、上が花崗岩層、次にやや熱い岩層が続き、下が弾力性のある玄武岩に似た岩石層が重なっていて、陸と海の地下の仕組みが同じであることが地震探査の調査でわかっています。「陸のプレートと海のプレートは、生まれも育ちも違う」というプレート説の前提が誤っていることの証左です。

 伊豆諸島の活火山群の活動周期は、1900年以後のデータから、約40年であることがわかっています。それより弱い活動は、十数年の周期で起こっています。

 東日本大震災以降、富士山の噴火が懸念されていますが、私は当面心配ないと考えています。

 富士山の噴火はマグマのうねりで発生すると言われる低周波地震や噴気と呼ばれる火山ガスの噴出がきっかけになるようですが、現在までこのような兆候がないからです。

 関東地域の危険地域はどこでしょうか。