(写真:ロイター/アフロ)

 米調査会社IDCが行った最近の調査によって、生成AI(人工知能)が企業の競争力やビジネスモデルに及ぼすと考えられる分野が分かってきた。最も影響を与える可能性が高い3つのビジネス領域は、①「IT(情報技術)意思決定」、②「財務・業務システム」、③「顧客関係強化・顧客体験・顧客サポート」、の3つだという。

地域によって異なる期待分野

 調査によると、生成AIが企業に与える影響について期待される事業分野は地域によって異なる。北米のテクノロジーバイヤーは、生成AIが財務・業務システムに最も影響を与えると考えている。西欧では、IT及びLOB(Line of Business、事業部門)意思決定に、アジア太平洋地域では対顧客業務に、最も影響がもたらされると考えている。

 この調査の対象となったテクノロジーバイヤーとは、製造・小売業、金融サービスなどの企業におけるIT部門や調達部門の意思決定者。クラウドコンピューティングやサイバーセキュリティー、データ分析などを手がけるテクノロジー新興企業、加えて、政府機関や教育機関、研究機関なども含まれる。

 企業は主に、限られた予算とリソースの中で、効果的なテクノロジーソリューションを導入し、ビジネス課題を解決しようとしている。公共機関は、市民サービス向上に向けてテクノロジーを活用したいと考え、コスト削減効果にも期待している。公共セクターはコンプライアンス要件を満たすソリューションも必要としている。

 近い将来、これら業務分野で生成AIが大いに役立つようになり、それによってもたらされる効率の向上や業務形態の変化に期待しているようだ。