カンヌで開催されたイベントでのブラッド・ライトキャップ氏(写真:ロイター/アフロ)

 「AI(人工知能)は一部の仕事に取って代わる可能性がある」と、対話AI「Chat(チャット)GPT」を手がける米オープンAIの幹部が語った。多くの人が恐れていることをついにAIトップ企業の幹部が口にしたと、米ウォール・ストリート・ジャーナルが報じた

 語ったのは、オープンAIのブラッド・ライトキャップCOO(最高執行責任者)である。同社の技術は新しい仕事を生み出すこともあるが、同時に一部の仕事をなくす可能性もあると説明した。

アルトマンCEO「一部の仕事は完全に自動化」

 フランスのカンヌで開催されたイベントで、ライトキャップ氏は「どの大企業にも、収益認識の目的で契約書を審査・確認する大勢の人がいる。しかしそれは将来の仕事ではないかもしれない」と語った。

 AIがますます高度化するにつれて、オープンAIのようなイノベーター企業は、自社の技術が雇用や労働者に与える影響について、微妙なバランスを取ろうとしているとウォール・ストリート・ジャーナルは報じている。つまり、AIによるマイナスとプラスの影響を慎重に検討し、社会に及ぼす悪影響を最小限に抑え、プラスの影響を最大化したいと考えているようだ。

 その一方で、オープンAIのサム・アルトマンCEO(最高経営責任者)も「AIによって、一部の仕事が完全に自動化される可能性がある」と述べるなど、一部社会に及ぼす影響について警鐘を鳴らしている。

「雇用も生み出す生成AI」

 2023年6月19日に開幕した「カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル(Cannes Lions International Festival of Creativity)」におけるウォール・ストリート・ジャーナルのイベントで、ライトキャップ氏は、「AIは将来的に一部の仕事を消す一方で、他の仕事を創出する可能性もある」と説明した。