8〜9月に日経平均やTOPIXなどの株式指数で定期銘柄入れ替えが相次いで発表される。株価に影響も。写真は7月25日(写真:共同通信社)

オルカン、日経平均株価などの株式指数の定期銘柄入れ替えが8~9月に相次いで発表される。8月以降、指数採用・除外銘柄の予想から思惑買い・売りが出そうだ。これまで銘柄の定期入れ替えのなかったTOPIX(東証株価指数)についても、2年後から実施する。株式指数の銘柄入れ替えの狙いと効果はどこにあるのだろうか。

(種市房子:ライター)

日経平均、採用有望なのは半導体関連の…

 7月11日に4万2224円の史上最高値を付けた後、調整入りしている日経平均株価。日経平均株価は日本を代表する株価指数で、銘柄の定期入れ替え発表が9月に予定されている。

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 日経平均株価は、東京証券取引所プライム市場上場約1600銘柄のうち、市場流動性と業種分類のバランスを考慮して225銘柄を採用している。この基準に基づき、毎年4月、10月に最大で3銘柄の定期入れ替えがある。銘柄入れ替えの狙いは、株式市場の実態を反映することだ。10月の入れ替え銘柄は9月に発表されるため、8月ごろから関連銘柄の物色が始まる。採用候補が買われ、除外候補が売られる。

 直近の4月入れ替えではZOZO、半導体製造装置のディスコ、半導体メーカーのソシオネクストが採用され、酒造メーカーの宝ホールディングス(HD)など3銘柄が除外された。

 市場関係者の間では、前回同様、半導体関連に注目が集まり、パッケージ基板のイビデンや、パワー半導体製造のロームが採用銘柄候補に挙がる。他にも、4月の入れ替えの有力候補だった良品計画、ユニ・チャーム、野村総合研究所の名も聞かれる。除外される銘柄も具体名がささやかれている。こうした予想によって、個別銘柄に思惑の売り買いが発生する。

 日経平均株価をベンチマーク(指標)として、同指数と同レベルのパフォーマンスを目指す投資信託は多く、新NISA(少額投資非課税制度)の「つみたて投資枠」の対象として複数の商品がラインアップされている。

新NISAの仕組みをおさらい
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 日経平均株価連動の投信では同指数の構成銘柄を、指数組み入れ比率と同等で購入する。このため、定期入れ替えの実施日の前営業日に、採用銘柄の買い・除外銘柄の売りの大規模トレードが発生する。この大規模トレードを予測して、事前に関連銘柄の思惑買い・思惑売りが入るのだ。