TOPIXの大問題
日本を代表する株式指数でありながら、定期的な銘柄入れ替えがなかったのが、TOPIXだ。しかし、目下、TOPIXの構成銘柄の絞り込みが進行中の上、日本証券取引所(JPX)は6月19日、「次期TOPIX」を算出するためのさらなる絞り込み策を発表した。
TOPIXは現在、東京証券取引所プライム市場に上場する企業を中心に2140銘柄(5月31日現在)で構成されている。もともとは1969年7月1日に算出が始まり、旧TOPIXは東証1部の全銘柄で構成されていた。
日経平均株価やオルカン同様、TOPIX連動の投信も多い。TOPIXに入っていれば流通時価総額が極端に低い超小型銘柄でも、自動的に投信からの買い注文が入る。業績や資本効率がさえない銘柄にも一定の買い需要が入ることが、日本を代表する株式指数の信ぴょう性にもかかわる問題であった。
この課題意識から断行されたのが、2022年4月の東証改革だった。1部、2部、マザーズ、ジャスダックの4市場を、プライム、スタンダード、グロースの3市場に再編。併せて、TOPIXを構成するのはプライム上場銘柄とした。ただ、現在のTOPIXには、スタンダードやグロース市場の銘柄も入っている。これらは、市場再編時にはプライム上場だったが、スタンダードやグロースに移行した銘柄だ。
プライム上場には、株主数800人以上、流通時価総額100億円以上、流通株式比率35%以上、といった定量基準が設けられた。この基準を満たしていない場合でも、基準達成に向けた計画と進捗状況を開示し、改善に取り組めば、経過措置としてプライム市場に残留できる。
一方で、TOPIXからは、流通時価総額100億円未満の銘柄のウエイトを段階的に減らしている。JPXはこれを「第1段階の見直し」として2025年1月までに1700銘柄に絞る方針だ。