「石丸現象」が続いている。東京都知事選の結果が出た七夕の日から2週間以上が経ったいまも、石丸伸二氏への関心は冷めやらない。政治の道にとどまることを宣言した石丸氏に対し、既存政党に飽き足らない世論からは「第三極」の軸となることへの強い期待が寄せられている。石丸氏はこれから、どんな道を歩むのか。自民党を離党し、新興勢力「みんなの党」を築き上げ、最後は第三極のどん底を見た男・渡辺喜美氏に聞いた。(JBpress)
新しさは何もない「石丸現象」
――都知事選で約165万票を獲得した石丸伸二氏に新たな「第三極」としての注目が集まっています。みんなの党を立ち上げ、第三極としての期待を集めたご経験のある渡辺さんはどう見ますか。
渡辺喜美氏(以下、渡辺氏):「石丸現象」って騒がれますが、別に初めてってことは何もないですよ。
東京都知事選で見たって、例えば、東国原英夫さん。「政治のエンタメ化」って石丸さんはおっしゃいましたが、東国原さんがそれですよ。
2011年の都知事選で、東国原さんもどの政党にも属さず立候補しました。宮崎県知事を1期お務めになったあとでした。まさに政治のエンタメ化で2位に食い込んで、得票数も石丸さんと似たような数字(169万669票)でしたね。
政治のエンタメ化といえば、橋下徹さんもそうです。『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)などのテレビタレントから転身したわけじゃないですか。
また、第三極という観点で見れば、8年前に都知事選に初めて出てきた小池百合子さんも、あのときは同じように第三極だったでしょう。
――政治の世界でときどき吹く風の一つで、今回プレイヤーが石丸さんになったというところでしょうか。
渡辺氏:そうですね。特に新しい手法もないと思います。
テレビで噛み付くのもご案内の通り。本人も言っていますが、狙い通りなのでしょう。