中国需要ショックが原油市場を襲うか(写真:FOTOGRIN/Shutterstock)

中国経済の悪化が、原油市場に「中国ショック」を起こすかもしれない。これまで中国は世界の原油需要の伸びを牽引してきたが、その構図が変わろうとしている。中国の需要に期待できなくなれば原油価格は大きく下落する可能性があり、それはサウジアラビアなど原油に依存する中東諸国の政情を不安定にさせかねない。

(藤 和彦:経済産業研究所コンサルティング・フェロー)

 米WTI原油先物価格(原油価格)は今週に入り、1バレル=80ドルから84ドルの間で推移している。先週に比べて振れ幅が大きくなっている。

 まず、いつものように世界の原油市場の需給を巡る動きを確認しておきたい。

 7月18日付ブルームバーグは「石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの大産油国で構成するOPECプラスは8月1日の合同閣僚監視委員会(JMMC)で10月からの生産引き上げ計画を変更しない可能性が高い」と報じた。

 OPECプラスは6月、日量約220万バレルの自主減産を10月から段階的に縮小することを決定したが、「必要に応じてその時期を先送りできる」と留保を付けていた。

 OPECは10日に公表した月報の中で「世界の今年の原油需要は前年に比べて日量225万バレル増加する」との強気の見方を維持しており、需要の増加に応じて供給を増やす方針を堅持した形だ。

 米国の原油生産量は日量1330万バレルと過去最高水準を維持している。

 供給面が堅調であるのに対し、需要面は弱含みだ。