「公民権停止」という重すぎる罰則
裏金問題は過去にもあったし、現在進行形で生じています。自民党が30年前と同じようにルールを自ら変えたところで、次も起こるのではないか。
なぜ繰り返し起こるかというと、「収入を正確に記載しなければならない」と政治資金規正法で定められているにもかかわらず現状では正確でない内容を記載できてしまい、なおかつ立証が困難だから、というのが一般的な説明です。
しかしこれは裏を返すと、立証されてしまうと政治家生命が断たれるので、政治家は立証が困難ないまの状態を変えたくない、ということでもあります。
つまり、公民権停止という重すぎる罰則があることによって、政治家は情報の透明化や公開を積極的に嫌うし、隠すわけです。裏帳簿にして自由になるお金を作りたがる。自由になったお金を何に使っているかはわかりません。
私腹を肥やしているのかもしれないし、実際には事務所の懐事情が苦しく維持費に使っているのかもしれないですけど、とにかく脱法的で使途の見えないフリーハンドのお金を作りたがります。それでは問題は解決しないように思えます。
情報公開と透明性を確保するのと、もう少し中間的なインセンティブ、つまり政治家が法令を遵守するためのインセンティブのあり方があり得るのではないでしょうか。