日米韓3か国の安全保障・防衛協力の促進

 日米韓3か国は、2023年8月のキャンプ・デービッド・サミットで3か国安全保障・防衛協力の取組みを強化する方針を確認した。

 それに基づき、日米韓は2023年12月に「ミサイル警戒情報共有システム」の運用を開始し、弾道ミサイル防衛上の大きな進展を見せた。

 シャングリラ対話では、木原稔防衛大臣、米国のオースティン国防長官および韓国の申源湜国防長官による閣僚級会談が行われた。

 そこで、朝鮮半島、インド太平洋、そしてそれ以外の地域の平和と安定に貢献するため、3か国安全保障・防衛協力を強化し、制度化する新たな取組みについて議論された。

 その結果、「フリーダム・エッジ」と呼ばれるサイバーを含む複数領域にわたる3か国共同訓練を新設し、今夏に実施することで一致した。

 また、本地域における北朝鮮・中国などの脅威を踏まえ、安全保障上の課題を議論するため共同机上演習を実施することでも合意した。

 その中には、北朝鮮による核・ミサイルの脅威や、東シナ海・南シナ海において違法な海洋権益を主張する中国の危険で攻撃的な行動などに対する抑止や対処に関する事柄が含まれるものと見られる。

 こうして、日米韓3か国による安全保障・防衛協力が、朝鮮半島問題にとどまらず、インド太平洋、さらにそれ以外の地域へと拡大傾向を示していることは、大いに歓迎すべきである。

 今後、韓国の政治が保守政権で安定すれば、日米韓3か国による発展的展望がさらに開かれることになろう。