労働以外の時間を犠牲にしている
労働と文化の両立の困難に、みんなが悩んでいる。
その根底には、日本の働き方の問題があります。
具体的な例を挙げましょう。
たとえばフルタイムで働いている男性が育児に関わろうとすると、「育児休業」を取れ、と言われるでしょう。しかし本来、育児は子どもが家を出るまで十数年以上続きます。が、労働と育児を両立させる働き方の正解は、いまだに提示されていないのです。
あるいはコロナ禍を経て、政府は副業を推奨しています。しかし週5フルタイムで働いている人がそれ以外に副業をしようと思ったら、過労になりかねないはず。
なぜ私たちはフルタイムの労働時間を変えずに、副業を推奨されているのでしょう?
現代の労働は、労働以外の時間を犠牲にすることで成立している。
だからこそ、労働と文化的生活の両立が難しいことに皆が悩んでいる。
これは、現代日本を生きる私たちにとって、切実で困難な悩みなのです。
しかし、現代日本に文句ばかり言っていても、話は進みません。
どうすれば私たちは、働きながら、本を読めるのでしょう。
その問いを突き詰めると、結局ここにたどり着きます。
どういう働き方であれば、人間らしく、労働と文化を両立できるのか?
──私は、あなたと一緒に、真剣に「働きながら本を読める社会」をつくりたいのです。
これから、一緒に考えましょう。
なぜ働いていると本が読めなくなるのか?
■なぜ働いていると本が読めなくなるのか
(1)週5フルタイムで働き、疲れ、本を読みたくてもSNSやYouTubeをぼーっと眺めてしまう、そんな生活おかしくないか?
(2)「本を読むこと」は人生に不可欠な「文化」、ChatGPTなどAIが仕事を奪う世の中で人間らしい働き方とは
(3)男も女も全身全霊ではなく半身で働く…仕事以外の「ノイズ」も聴ける余裕が「働きながら本も読める」社会をつくる