「76の法則」でつみたて総額が1.5倍になる年数を試算

 ここで、もう一つの計算式を紹介しましょう。

「76の法則」です。つみたて投資の総額が1.5倍になるにはどれくらいかかるかが、簡単な計算式でわかります。

「76÷利回り=期間(年)」です。利回り5パーセントで考えると、「76÷5=15.2」となります。

 1.5倍で2000万円になるようにするには、つみたて総額が約1333万円あればよい計算になります(2000÷1.5=1333.333……)。

 この1333万円を15年間で分割すると、「1333万円÷15年÷12カ月=約7.4万円」という計算になります。サワカミさんは、利回り5パーセントの場合、毎月約7.4万円をつみたて投資することで、15年後には約2000万円を達成できる見込みです。

 50代の人は、こうして「手持ちの資金」と、これから働いて得る月々の収入からの「つみたて」の2本立てで考えるとよいと思います。

 ただし500万円を一括投資できるという場合でも、相場が高い時期には分割も考えたほうがよいかもしれません。

 これはあくまでもシミュレーションですが、一つの目安になりますし、皆さんの投資の励みになるかと思います。

 複利は詐欺だと言いましたが、なんとなくイメージをつかむための計算はしておきたいものです。

【連載】
投資信託会社の社長が「投資はしなくてもいい」という理由、問題はお金をどこに「置いておく」か
私たちは銀行にお金を「貸している」、簡単には破綻しないし預金1000万円までは守られるという安全神話は危うい
詐欺まがい?「ドルコスト平均法」の甘い勧誘には要注意、大切なのは暴落しても再び上がるまで待てること
信用してはいけない「複利効果」、株式投資で一定の利益が出続けることはあり得ない
500万円を2倍にするには?「72の法則」「126の法則」で毎月のつみたて額をシミュレーション

50歳から成功する長期投資 65歳でプラス3000万円』(澤上龍著、幻冬車)

【著者】
澤上 龍(さわかみ・りょう)
1975年千葉県生まれ。2000年5月にさわかみ投信株式会社に入社後、ファンドマネージャー、取締役などを経て2012年に離職。2010年に株式会社ソーシャルキャピタル・プロダクションを創業、2012年に関連会社の経営再建を実行し、2013年にさわかみ投信株式会社に復職、同年1月に代表取締役社長に就任。現在は、「長期投資とは未来づくりに参加すること」を信念に、その概念を世の中に根付かせるべく全国を奔走中。起業や経営の支援の傍らコラム執筆や講演活動も行う。

拡大画像表示