「元本保証」は信用してはいけない

 最近のアメリカでも、実際に銀行が破綻した例がありました。2023年3月、アメリカのシリコンバレーバンク(以下、SVB)が破綻したのです。SVBはシリコンバレーにおいてスタートアップ企業や起業家個人への融資を中心に営業していました。

 2023年、SVBには、購入していた米国債の金利上昇に伴って18億ドルの損失が発生しました。「SVBが危ない」という噂が流れ、取り付け騒ぎが起こりました。

(写真:Number1411/Shutterstock)

 さらにSVBがバランスシートを補強するため、株式売却を行うと発表すると、株価が62パーセントも下落。このニュースを受けたベンチャーキャピタルが、SVBの顧客に対して預金を引き出すよう提案し、取り付け騒ぎが加速したのです。

 その結果、2023年3月10日、SVBは破綻しました。

 日本経済は今、コロナ禍で始まったゼロゼロ融資の返済が滞り始め、不良債権化しています。銀行経営はとても厳しい状況です。

 すべてではありませんが、破綻する銀行が多数出てきたら……、たった5兆円では、カバーできるはずがありません。

 銀行は安全、元本保証ありというのを100パーセントは信じないほうがいいでしょう。