大事なのは新しい価値観に触れてアイデアを増やすこと

 ほかにも本書では幸福度やお金に関する考え方、政治への関わり方などさまざまな部分で「日本」と「世界」との違いを紹介している。

 日本にも良い面はたくさんある。本書が言いたいのは「日本が諸外国に比べて劣っている」のではなく、自分の価値観に基づく選択肢を増やすと共に互いを尊重し、新しい価値観に触れてアイデアを増やしていこう、ということ。日本の政治や社会の現状を嘆くだけでなく、変えていくためにどうすればいいのか、手を取り合って考えようということだ。

 これまでの日本の常識は、世界で見るとスタンダードだとは限らない。それぞれが自分だけの「シン(新・真・心)・スタンダード」を見つけることで、社会全体をよりよくする活動につながってほしい。そんな筆者の願いが伝わってくる。

シン・スタンダード』(谷口たかひさ著、サンマーク出版)