揚水式発電所の3つの写真(上部調整池:記事冒頭写真1、地下発電所:図2、下部調整池:写真2)を見ていただきたい。
この3施設は巨大な導水トンネルにて連結され、3つの画像がちょうど発電の順序にもなっている(写真3)。近年の大規模揚水発電は、地形上の制約から、上部調整池を人工の溜池(プール形式)とする場合があり、中核となる発電施設を地下式とすることが多い。
一方、余剰電力による揚水時はこの逆となる(下部調整池から上部調整池に汲み上げ、位置エネルギーを蓄える)。
長野県・群馬県にまたがる神流川発電所
神流(かんな)川発電所は、長野県の信濃川水系南相木(みなみあいき)川の最上流部に上部ダムを、群馬県の上野村を流れる利根川水系神流川の最上流部に下部ダムを設置し、この間の有効落差653mを利用して、単機出力(47万kW)の発電電動機2台により、最大出力を94万kWとする純揚水式発電所だ(計画中の3~6号機を加えれば世界最大級となる)。