マンハッタンの住民は圧倒的に民主党支持者

 ニューヨーク州マンハッタン地区地裁での公判はこれから週4日行われ、6月頃まで続く見通しだ。

 4月15日は採用する証拠など手続き面の協議が行われた後、午後から陪審員の選任が始まった。

 陪審員は証言や証拠を検討し、有罪か無罪かを判断する。地裁のあるニューヨーク市マンハッタンに住む市民から12人が選ばれる。

 人種別にみると、白人45%、ヒスパニック27%、黒人17%、アジア系14%(この地区にはチャイナタウンがある)、 民主党支持者が多い。

en.wikipedia.org/wiki/Demographics_of_Manhattan

 そのため、初日からハプニングが起きた。

 この日呼び出された96人のうち、予備尋問(voir dire)で半数以上がトランプ氏に対し「公正かつ公平(Impartial)ではない」と申告し、陪審員候補から外れたのである。

 つまり、トランプ氏について「全く知らない」とか「特別な考えはない」と答えた人がいかに少ないか、ということだった。

 ニューヨーク地元テレビ局の記者はこう指摘する。

「マンハッタンで働く人ではなく、マンハッタンに住むのは高級マンションに住む白人富裕層、摩天楼の谷間に住むプエルトリコ系、中国系などの低所得層で、トランプ氏を熱狂的に支持する宗教保守(エバンジェカルズ)などはいない」

「つまり、これほど騒がれているトランプ氏を客観的に見られる人を探すのがいかに難しいか、ということだ」

「探し当てたとしても、これだけ証拠が揃っている事案を見て、シロだと言い切れる陪審員はまずいない、ということになる」

「トランプ氏は『私がシロか、クロかは選挙民が判断する』と豪語しているが、その最初の選挙民はマンハッタン地裁の陪審員ということになる」