- 原油価格が昨年10月以来の高値で推移している。
- 中東・ロシアにおける地政学リスクの上昇に加え、米中の需要回復への期待が背景にある。
- 中長期的には地政学リスクよりも脱炭素への圧力がガソリン価格を高騰させかねない。原油開発への投資は激減しており、近い将来、供給不足に陥る懸念がある。(JBpress)
(藤 和彦:経済産業研究所コンサルティング・フェロー)
4月3日の米WTI原油先物価格(原油価格)は前日比0.28ドル(0.3%)高の1バレル=85.43ドルで取引を終了した。「世界の原油市場の需給が引き締まる」との観測から原油価格は昨年10月以来の高値で推移している。
まず、いつものように世界の原油市場の需給を巡る動きをアップデートしておこう。