■芝浦工業大学附属(東京都江東区)

 もともとは板橋区の志村にあった地味目な男子校だったが、2017年に現在の江東区豊洲に移転して大きく変わった。豊洲はタワーマンションが立ち並び、高学歴高所得のパワーカップルが多く居住することからも、中学受験熱がもっとも高いエリアのひとつとなっている。

芝浦工大附属の校舎

 2021年には共学化し、大学も近接していることから併設大学進学者が多い。千葉県柏市にある芝浦工業大学柏が他大学進学者が多いのとは対照的だ。

 校舎も新しいだけに最新の設備が備わっている。とりわけコンピューター室、ロボット技術室、加工技術室、鉄道工学ギャラリーなど理工系ならではの施設が充実している。モノ作りが好きな男の子が目を輝かせる環境である。

芝浦工大附属にある鉄道工学ギャラリー

 教育内容も、SD(セルフディベロップメント。自立学習)の時間を週2~3時間も設けたり、探究においてもITとGC(グローバルコミュニケーション)の両面から行ったり、言語技術教育も導入したりするなど、極めて意欲的な取り組みを行っている。

 筆者は昨夏、神奈川私立中学高等学校協会の理事長・校長研修に呼ばれて話をしたが、その際、いま保護者に選ばれる学校は「伝統」より「先進性」、「静」より「動」、「閉」より「開」(外に開いている学校)という話をした。この2校を見ていると、まさに時代に合わせて学びをアップデートしているし、かつ学校自体がダイナミックに動いている。応募者が増えるのも必然と言える。