岸田文雄総理(写真:つのだよしお/アフロ)

(朝比奈 一郎:青山社中筆頭代表・CEO)

せっかく「派閥解消」で支持率低迷を脱しかけたのに

 自民党が裏金問題で大揺れです。世論調査を見ても、派閥から裏金を受け取っていた議員に対する風当たりは相当強いのに、自浄作用の働きが見えてこないところに、国民は不信感を募らせています。

 ついに総理も登場する形で、国会で政治倫理審査会(政倫審)が開かれましたが、国民が納得するような説明はなかったように思われます。おりしも確定申告の時期と重なってしまったこともあり、脱税なのではないかと、国民の不満は高まっているようにも思います。

 せっかく、低迷していた支持率を、派閥解消の流れを主導したということで、年明けから下げ止め・回復させた岸田総理としても、早くもその効果が失われてしまっています。2月の各種支持率調査からもその傾向は明らかです。今回、乾坤一擲、自らが政倫審に出るという奇策で予算成立には目途をつけましたが、おそらく支持率を回復させるほどの効果はないと思われます。

 自民党にしてみればこれはかなりのピンチです。4月の国政補欠選挙の見通しも良くありません。良くて1勝2敗、下手すると3敗の可能性も取りざたされています。