伝記もネットで転がっている情報で生成される時代になったようだ(写真:Newscom/アフロ)伝記もネットで転がっている情報で生成される時代になったようだ(写真:Newscom/アフロ)

(小林 啓倫:経営コンサルタント)

生成AIが可能にした「インスタント伝記」

 2024年2月19日、イーウェン・マッキントッシュ(Ewen MacIntosh)という英国の俳優が亡くなった。筆者と同じ1973年生まれで、50歳という若さだった。まずは彼のご冥福をお祈りしたい。

 その上で、これから筆者が実験することは、不謹慎な行為であることを先にお詫びしておきたい。あくまでこうした行為には倫理的な疑問が残る、というのが筆者の立場だ。

 彼を引き合いに出したのは、日本の読者にはあまり知名度が高くなく、日本語で書かれた彼の記事も少ないからだ。そのような状況でも、筆者は最新テクノロジーを活用して、彼の詳しい紹介文を書くことができることを証明したい。そのテクノロジーとは、もちろん生成AIである。

 たとえば、次の文章はChatGPTに対して「ウェブを検索し、Ewen MacIntoshの生涯を日本語で短くまとめて」と指示した結果だ(以下、原文ママ)。

 Ewen MacIntoshは、1973年12月25日にウェールズのMerionethshireで生まれ、2024年2月19日にイングランドのDarlingtonで50歳で亡くなったウェールズの俳優兼コメディアンです。彼は特にテレビドラマ「The Office」での、無愛想な会計士キース・ビショップ役で知られています。

 彼のキャリアは、エディンバラ大学在学中にエディンバラ大学劇団やThe Improvertsに積極的に参加していたことから始まりました。その後、「The Office」でのブレイクスルーを経て、多数のテレビ番組や映画に出演しました。これには、「Miranda」「Little Britain」が含まれます。

 また、Tim FitzHighamとのダブルアクトを組み、2007年にエディンバラ・フリンジ・フェスティバルで公演を行いました。

 彼は、クリス・レアの「Driving Home for Christmas」という曲のチャリティーミュージックビデオに他の著名人たちと共に出演し、2013年にはWest Endのショー「Geek! A New Musical」に出演する準備をしました。

 また、ラジオシットコム「Cabin Pressure」で飽きっぽい航空交通管制官のカール役を定期的に演じ、ao.comの全国テレビ広告にも出演しました。2014年には映画「The Confusion of Tongues」でバリー、窓掃除人役を演じ、2015年には「The Lobster」にも出演しました。

 彼は、2022年に「After Life」の第3シリーズと「Unfinished London」のエピソードにカメオ出演しました。そして、彼の死の直前、2024年には50歳で逝去しました。

「短くまとめて」と指示したのでこの長さ(750文字)になったが、もちろん「もっと長く」と指示したり、「キース・ビショップとはどのような役ですか?」というような追加質問をしたりして、より詳細な文章にすることができる。

 また、オリジナルのイメージを追加することも可能だ。

 次のスクリーンショットは、マッキントッシュがキース・ビショップ役を演じている場面の画像をネットから探してきて、その画像をChatGPTにアップロードした上で、「この画像を言葉で描写して」と命じた結果である。