AIの「ご神託」に振り回されるウーバー配達員
待機中の配達員は、ウーバーイーツのAIという「神」からのご指名を待っている。指名が下るのはスマホの配達員専用アプリだ。
ウーバーイーツは客から注文が入ると、エリア内で待機中の配達員に、ランダムに「配達リクエスト」を出す仕組みになっている。配達リクエストが受けやすいと言われるマクドナルド周辺に、配達員がたむろする「マック地蔵」も一時話題になった。配達リクエストが来ない限り、配達員には1円も入らない。
ウーバーのAIは「配達履歴」「応答率」など、さまざまなアルゴリズムから配達員を選ぶと言われているが、その基準は明らかにされていない。
「配達員の間では、『専業の配達員が優先される』『自転車よりバイクの配達員が優先される』など、いろんなウワサが流れていますが、本当のところはわからない。配達員はウーバーのAIに振り回されている状況です」
Rさんは自嘲気味に話す。まさに「神のみぞ知る」世界。配達員はAIからの発注を、祈るような思いで待つのだ。