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 2023年は韓国にとって「多事多難」の一年だったが、とりわけ少子化問題が国内外で注目された年でもあった。

 米国の有力紙の『ニューヨーク・タイムズ』は「少子化による急激な人口減少が韓国を国家消滅の危機に追い込む」と警告し、米『CNN』は「少子化が北朝鮮と対峙している韓国の安保状況で深刻な影響を与えかねない」と警告した。昨年1年間、韓国ではeコマースにおけるベビーカーの出荷量が子ども用よりペット用のほうが多かったニュースも韓国人に衝撃を与えた。

多額の予算をつぎ込んだ少子化対策だったが

 国家災難として浮上した「少子化問題」は、2024年1月1日、尹錫悦(ユン・ソンヨル)大統領の新年の辞でも多く言及された。

「時間があまり残っていないだけに、少子化の原因と対策に対して、今までとは異なる次元のアプローチが必要だ。立派な教育政策、育児政策、福祉・住居・雇用政策は少子化問題解決に役立つことはできるが、根本的な解決策にならないということは20年あまり以上の経験で私たち皆がよく知っている。少子化の原因として指摘されている韓国社会の不必要な過剰競争を改善することが非常に重要だ。このため、韓国政府の重要な国政目標である地方均衡発展政策を確実に推進していく」

 この発言を煎じ詰めれば、この20年間、韓国政府が莫大な財源をつぎ込だ少子化対策がすべて失敗したという告白であり、少子化の原因に対する異次元の政策が必要だということだ。

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