パトリック・マクヘンリー氏(写真)がウルトラCで下院議長になる可能性が出てきた(10月18日撮影、写真:AP/アフロ)

投票のたび票が減る「人徳なきジョーダン」

 米下院は10月20日、空席となっている議長選出に向けた3回目の投票を実施した。

 しかし、ドナルド・トランプ前大統領が推すジム・ジョーダン候補(オハイオ州選出、下院司法委員長)に対する共和党の造反者は増え続け25人となり、政治空白は18日目に入った。

 ジョーダン氏は19日には立候補を取りやめるそぶりをみせたが、その後3回目の投票をやりたいと言い出すなど、意思がはっきりしなかった。そして3回目の投票に踏み切った。

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 1回目、2回目の投票に続いて多数派の共和党から造反が相次ぎ、共和、民主いずれの候補も選出に必要な過半数を得られなかった。

 ジョーダン陣営は、1回目の投票後、水面下での造反組の切り崩しを図った。

 ジョーダン氏以外の候補に票を入れた議員に何者かが数回脅迫電話をかける動きも出ている。同氏はSNSに直ちにこれを非難する投稿をしている。

 政治専門ケーブルチャンネルC-SPANは、各議員が名前を呼ばれ、起立投票する模様を実況中継している。

 視聴者は名前と顔を知ることができるだけに、こうした脅迫行為が後を絶たないようだ。

 議会の外ではトランプ氏の知恵袋であるFOXニュースのキャスター、ショーン・ハニティ氏がラジオ番組でジョーダン支持を訴えた。

 月曜日から金曜日の午後3時間、全米に流れる同氏のトークショーの視聴者は平均1625万人。

 特に「レッド・ステート」(共和党支配州)選出の共和党議員にとってはハニティ氏の影響力は絶大なものがある。

(2回目の投票後、ハニティ氏はジョーダン氏を止めると言い出している)

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