(舛添 要一:国際政治学者)
ウクライナでは停戦の見通しも立たぬまま、相変わらず激しい戦闘が続いている。
そのような中で、新たな惨劇が中東で勃発した。
10月7日、イスラム組織ハマスがガザからイスラエルを奇襲攻撃したのである。これに対して、イスラエルは報復として激しい空爆を繰り返し行い、イスラエル側で1400人、ガザ地区で3785人が死亡し、双方の死者は5100人を超えている。イスラエル軍が地上侵攻を開始するのは時間の問題と見られている。
病院爆破事故
さらに17日には、ガザ地区北部の病院で爆破事故が起こり、471人が死亡するという大惨事となった。
ハマス側はイスラエル軍の攻撃によるものと主張しているが、イスラエルは自らの関与を否定し、ハマスとは別の組織「イスラム聖戦」が発射したロケット弾が誤って落下したものと主張。イスラエルは、上空からの映像、レーダー解析、イスラム戦闘員の通信傍受などを証拠としてあげている。
どちらの主張が正しいかを判別することは難しいが、「病院爆破、500人が死亡、イスラエルの空爆」というニュースが流れると、世界中でイスラエル批判の声が高まった。