9月19日、国連総会で演説するゼレンスキー大統領(写真:ロイター/アフロ)

(舛添 要一:国際政治学者)

 国連総会が始まった。岸田文雄首相、バイデン大統領、ゼレンスキー大統領をはじめ首脳ら各国の代表が演説しているが、ウクライナ戦争は停戦の見通しすら立っていない。国連は、紛争を予防し、解決し、平和をもたらすという課題に応えることができていないのである。

低調な今年の国連総会

 今年の国連総会は、5つの常任理事国のうち4カ国の首脳が欠席した。出席したのはバイデン米大統領のみである。他の国々のトップは、国内政治(ロシアの場合は戦争指導)を優先させたのであり、国連総会で演説する意味を見いだせなかったのである。インドのモディ首相も欠席である。

 ウクライナのゼレンスキー大統領は、初めて国連において対面で演説し、「侵略者ロシアを打倒するための団結」を訴えた。しかし、ビデオ参加した昨年に比べて出席者の数は減り、空席が目立った。これも、ウクライナに対する「支援疲れ」の表れである。

 発展途上国は、アメリカとロシアの対立に巻き込まれたくないという思いから、欠席する国も多かった。

 ロシアによるウクライナ侵攻から1年半以上が経過したが、停戦の兆しすら見えない。国連は平和の維持のための機能を果たせていない。この国連の機能不全こそが、今年の国連総会を低調なものにしている。

 最大の問題は、拒否権を持つ常任理事国のロシアが、戦争の当事者であることである。ウクライナや支援国の西側の立場を反映した提案は、ロシアによって全て葬り去られる。中国もまた、ロシアの主張に賛同することが多い。少なくとも、西側の主張には賛成しない。

 これでは、国際平和の維持に責任を持つ安全保障理事会が機能するはずはない。