4.7月以降は落ち着きつつある中国経済
9月15日に国家統計局が8月の主要経済指標を発表した。
これを見ると、6~8月の中国経済は比較的安定的に推移している。工業生産、サービス生産、消費はいずれも7月に若干低下したが、8月に上昇し、3か月をならしてみると、ほぼ横ばいで推移している(図表1参照)。
固定資産投資だけが年初からずっと緩やかな低下傾向を辿っている。
これを分野別に見ると、製造業、インフラ建設、不動産開発のいずれも低下傾向を辿っているが、製造業とインフラ建設に関しては1~8月累計でそれぞれ5.9%、6.4%と堅調に推移している(図表2参照)。
特に製造業に関しては、民間企業が1~7月累計前年比+8.5%とコロナ前の2019年(通年同+2.8%)を上回る伸びを示している。
突出して大幅なマイナスの伸びを続けているのは不動産開発投資である(1~8月累計前年比-8.8%)。
これは投資のみならず、家具・家電・内装等の消費や地方財政など多岐にわたって悪影響を及ぼし、中国人の気持ちを暗くしている。
図表1 主要経済指標の推移(前年比%)

図表2 固定資産投資の分野別推移(年初来累計前年比%)
