(舛添 要一:国際政治学者)
ウクライナ戦争は激戦が続いている。ウクライナの反転攻勢が進んでいるという報道もあれば、ロシアの反撃が成果を上げているという情報もある。正確なところは不明である。
早期停戦は困難
外交の場でも、ウクライナを支援する西側諸国に対して、ロシアはBRICSなどの場で発展途上国の取り込みを図っている。
ブリンケン米国務長官は、9月6日にキーウを訪れ、ウクライナに10億ドルの追加支援をすると発表した。支援の中には、対戦車戦で有効な劣化ウラン弾も含まれる。アメリカが供与する主力戦車「M1エイブラムス」で使用されるという。
イギリスは、3月にウクライナに主力戦車「チャレンジャー」を供与したが、その際にも劣化ウラン弾を渡している。クラスター爆弾と同様に、ウクライナに供与する兵器の種類も際限なくなってきている。
一方、プーチン大統領は金正恩総書記と近日中にウラジオストクで会談し、弾薬などの供与を要請すると見られている。金正恩は、見返りにロシアに食糧支援を求める予定である。
交戦国双方が、戦争を継続することに全力をあげている。これでは、停戦は容易には実現しない。