iDeCoを先にもらった方が断然お得
<ケース3>
勤続年数38年、iDeCo加入年数26年
退職金2000万円、iDeCo1200万円
【現行制度】
(1)60歳で退職金とiDeCoを一時金で受け取る
退職所得:(3200万円-2060万円※)×1/2=570万円
※同時に受け取る場合、適用する年数は長い方が採用されます。
所得税:570万円×20%-42万7500円=71万2500円
住民税:570万円×10%=57万円
→納める税金:128万2500円
(2)60歳でiDeCoを、65歳で退職金を一時金で受け取る
・iDeCoの退職所得:1200万円-1220万円=退職所得ゼロ(税金はかからない)
・退職金の退職所得:2000万円-2060万円=退職所得ゼロ(税金はかからない)
→納める税金:ゼロ
「60歳でiDeCoを、65歳で退職金を一時金で受け取る」と、「60歳で退職金とiDeCoを一時金で受け取る」よりも、税金は約128万円も安くなります。
しかし退職所得控除の見直し後はどうなるでしょうか。
iDeCoとセットでも見直し後は大増税
【見直し後】
(1)60歳で退職金とiDeCoを一時金で受け取る
※同時に受け取る場合、適用する年数は長い方が採用されます。
退職所得:(3200万円-1520万円)×1/2=840万円
所得税:840万円×23%-63万6000円=129万6000円
住民税:840万円×10%=84万円
→納める税金:213万6000円
(2)60歳でiDeCoを、65歳で退職金を一時金受け取る
・iDeCoの退職所得:(1200万円-1040万円)×1/2=80万円
所得税:80万円×5%=4万円
住民税:80万円×10%=8万円
・退職金の退職所得:(2000万円-1520万円)×1/2=240万円
所得税:240万円×10%-9万7500円=14万2500円
住民税:240万円×10%=24万円
→納める税金:50万2500円
退職所得控除の見直し後の状況をまとめると以下のようになります。
「60歳で退職金とiDeCoを一時金で受け取る」
→現行制度と比べて85万3500円の増税
「60歳でiDeCoを、65歳で退職金を一時金受け取る」
→現行制度と比べて50万2500円の増税
「60歳でiDeCoを、65歳で退職金を一時金受け取る」と、「60歳で退職金とiDeCoを一時金で受け取る」よりも税金は約35万円安くなる。