写真はイメージです(出所:Pixabay)

(馬 克我:日本在住中国人ライター)

 5月26日より、中国の3DCGアニメ映画『雄獅少年/ライオン少年』の日本語吹替版が上映された。繊細な映像美、生き生きと描かれた登場人物、獅子舞文化を土台としたストーリーの中で中国の現実にも触れており、日本でも高く評価され、アニメーション映画監督・新海誠氏も自身のSNSで「凄い映画」と絶賛している。

 しかし、この映画が2年前に中国で公開された際、一部の中国人からは「辱華」と批判された。「辱華」とは、「中国に対する屈辱」という意味である。

 その理由は、「キャラクターは皆細い目をしている。このようなイメージは西洋人の中国人に対する偏見であり、この映画は西洋人に迎合し、西洋で賞を取るために作られたものだ」というものであった。

映画『雄獅少年/ライオン少年』予告編より(出所:YouTube

 イタリアの高級ファッションブランド「ドルチェ&ガッバーナ」(以下、D&G)も、かつて似たような出来事に遭遇したことがある。2018年、D&Gのプロモーション映像で東洋の女性がイタリア料理を箸で食べる様子が描かれた。中国文化とイタリア文化の融合を表現した映像だったが、おそらく面白みを増すためだろう、女性は不器用に箸を使っているという描写だった。