「デフレ世代」はこのやり方で納得するのか?

 しかし、現実問題、地方に住む親の喪主は遠方に住む子というケースが多く、地元の風習に疎いこともあって葬儀の準備も寺とのやり取りも全て葬儀社に任せきりになりがちだ。

 そうした中で、葬儀社が地域に根を張る寺の意向を優先するのは分からないでもない。

 これからの消費の中心となる「デフレ世代」は消費にシビアで、納得しなければ財布の紐を解かないと言われる。「お宅は100万円でお願いします」という前時代的な価値観が、果たしてどこまで受け入れられるのか。

 都市部では他業種からの参入が増え、地方は大手の進出が加速するなど競争が激化する中、葬儀社もCS(顧客満足度)向上を意識せざるを得ないはずだ。

「葬式仏教」とも揶揄される日本独特の弔いのスタイルに風穴を開けるのは容易ではないが、今こそドラスティックな変化が求められている。