富士山を遠望する相模湾・大アジ釣りの風景(写真はすべて筆者撮影)

 よくある渋い日。ようやく捉えた希少なアタリを釣果にできず、悔しい思いをすることがあります。

 特に周りと差が出てしまった時などは、「運」だけでは納得できない思いです。こういった壁にぶつかってしまう時、今さら聞けない基本的な情報が助けになることがあります。

 今回はハイシーズンを前に少し初心に返って、釣りの基本となる魚の掛け方、掛かり方について、魚の特性にも触れながら基本事項を整理してみたいと思います。

 陸釣りや沖釣りを問わず、既に実践されている方も含め、手に伝わる竿先やラインの動きが魚の摂食行動と結び付いて、魚種に合った手さばきや釣果アップにつながれば幸いです。

魚の食性とハリ掛かりとの関係

 最近はウエブやケーブルテレビなどの映像情報が増えたことで、魚種のヒットシーンを多数見ることができます。

 特に、魚信を捉えた釣り人が瞬時に勢いよく竿を立てたりするシーンや弧を描いた竿が水面に向けて強く引き込まれ、釣り人がいなしながらリールを巻くファイト・シーンなどは、見ているだけでワクワクしてきます。

 一方で、釣法の解説や熟練者が初心者に伝授する番組などでは、「合わせたらダメ」「早合わせは禁物」「合わせて掛けてあげないと・・・」など様々。

 さらに、アジのように同じ魚でも、陸のサビキ釣りで置き竿にアジが掛かってくれるシーンがあると思えば、ワームを泳がせるアジングでは小さなアタリを釣り人が捉えて、クッと手首を返して掛けるシーンがクローズアップされます。

「釣り方」として紹介されている方法の多くは、魚種ごとの捕食特性を踏まえて確立されています。

 自身の釣りに置き換えてみる時、一回りしてきた今だからこそ、原点に立ち戻ると見えてくるアイデアもあります。