優勝した照ノ富士(写真は1月30日明治神宮奉納土俵入り、写真:UPI/アフロ)

 夏場所では横綱照ノ富士が4場所ぶりに土俵に上がり優勝した。

 また、4人の関脇が揃って2桁勝利する史上初の快挙を見たように、上位陣の活躍で土俵は盛り上がりを見せた。

 こうした復活には外国出身力士が大いに関係している。

 ロシアがウクライナに侵攻して以降、安全保障が国際的な関心事項となっている。国家間の問題や争いは基本的には話し合い、すなわち外交で解決することが原則であり、友好国の多寡は外交を左右する。

 日本には多くの国から全権大使が駐在し、あらゆる機会をとらえて友好親善に努めている。

 しかし、大使以上に相互理解をもたらしているのが外国出身の力士たちではないだろうか。

満身創痍を克服してきた照ノ富士

 一度は大関まで上がりながら体の故障で序二段まで陥落した照ノ富士は廃業も頭をよぎったという。

 しかし説得され、自らも決意を新たにして再起を誓う。

 三役まで復活した時には横綱を目指すと言葉少なに語り、達成した。今回8回目の優勝を果たした後のインタビューでは二桁優勝を目指す決意を明かした。

 満身創痍でありながら自分の意志で故障を克服し、目標を手に入れてきた照ノ富士である。二度あることは三度あるで、来場所でも新たな目標に向かって渾身の活躍を見せるに違いない。

 関脇の活躍に見たように若手の台頭も著しい。