不動産、金、ともに歴史的な価格圏にあるが
国内で二大実物資産と称されるのが不動産と金(ゴールド)だ。共に現物を購入しようとするとそれなりの元手が必要だが、証券化された金融商品もあり、市場で株式と同じように売買できる。
例えば、REIT(不動産投資信託)は投資対象がオフィスビル、商業施設、ホテル、住宅、物流施設、ヘルスケア施設などいろいろあり、それによって値動きが異なる。老後のために持っておくなら、ボラティリティ(価格変動率)が小さく、安定的に分配金を出している銘柄を選びたい。
実物資産の筆頭に上がる金だと、現物のほかに金ETF(上場投資信託)もある。金ETFの場合、現物の裏付けがある銘柄をお勧めしたい。証券会社によっては金の現物との交換ができるほか、万一ETFの発行体が破綻しても現物の価値は守られる。
金ETFに投資する際には流動性にも注意したい。売買高が少ない商品はいざという時に売れない可能性があるからだ。
不動産価格、金価格、ともに今は歴史的な高値圏にある。3月には首都圏で販売された新築マンションの1戸当たりの平均価格が初めて1億円を超えた。金は円安効果もあって、今年に入って国内小売り価格、大阪取引所の先物価格ともに過去最高値を更新している。
こういう時に一度に大金を投じると“高値づかみ”になってしまう恐れがある。そういうときに検討したいのが、積み立て方式で毎月一定額を購入していく方法だ。価格が高い時は少なく、安い時は多く買うことになり、結果として平均購入価格が低く抑えられる。いわゆる「ドル・コスト平均法」効果が得られる買い方だ。