第一線のジャニーズ事務所所属タレントが「知らなかった」はずはない

 ジャニー氏の性加害について事務所が言及したことで、テレビ報道も触れないわけにはいかなくなった。NHKでは報道番組の『クローズアップ現代』でも特集が組まれた。だが、その報道の仕様も当たり障りのない言い訳程度のもので、私がかつて見た状況と変わっていないような気がしてならない。

 4月に日本外国特派員協会で記者会見した元ジャニーズJr.のカウアン・オカモト氏は、2012年にジャニーズ事務所に入って2016年に退所するまで、ジャニー氏から15回から20回の性被害を受けたと語っている。報道がなされていれば、たぶん入所はなかったとも語っている。

 自分以外にジャニー氏から性被害を受けたとはっきり分かるのは3人。ジャニー氏のマンションに泊まって被害を受けるのだが、そこにいたことのある100人から200人のほぼ全員が受けているはずとの見解も示している。泊まりにいかないと売れない、という認識がジャニーズJr.の間で共有されていたともいう。

 また、『文春オンライン』がこのところ続報している記事では、ベルトを3本巻いて寝ることや蹴飛ばすことによって、ジャニー氏からの性的虐待を防ぐことができる方法を先輩から後輩に伝えられていたことや、BBCのドキュメンタリー番組では、「これを我慢しないと売れないから」と言われたとの被害者の証言もある。