写真はイメージです(出所:Pixabay)

(山田 珠世:中国・上海在住コラムニスト)

 4月初旬の週末、小学生の娘を連れてイチゴ狩りに出かけた。上海市の郊外にある青浦というイチゴの産地で、3~4月はまさに旬の季節だ。

 上海で栽培されるイチゴで最も多いのは「奶油草莓」と「紅顔」という名前の2種類のイチゴ。上海ではあまり知られていないが、前者は静岡生まれの品種「章姫(あきひめ)」で、後者も同様に静岡生まれの「紅ほっぺ」である。

 同2種で上海全体の95%以上を占めるといい、上海で栽培されるイチゴのほとんどが日本品種のイチゴということになる。

 果物屋の店員はそれらが日本の品種とは知らなかったが、筆者が訪れた農園のオーナーは「『奶油草莓』も『紅顔』も日本の品種だよ」と話してくれた。ただ、それに続いたのは「どちらも日本人が中国に“導入”したんだよ」という言葉だった。

 前回の本コラム「中国市場を席巻、『日本から導入』と喧伝される疑惑のイチゴ」でも述べたが、これら日本の品種は中国に“導入された”と認識されているのだ。