(北村 淳:軍事社会学者)
日本海では北朝鮮に引き続いて、ロシアも長距離巡航ミサイルの試射による対米牽制ならびに対日威嚇を実施した。
北朝鮮のミサイル試射は、ICBMや長距離巡航ミサイルの開発が順調に進んでいることを誇示するための意味合いが強いが、ロシアの試射は純然たる対米牽制と日本威嚇が目的であろう。ただし、今回発射した長距離巡航ミサイルは射程距離を伸長した改良型の量産が始まる模様であり、そのための実験的意味合いもあるかもしれない。
1000km以上離れた目標に長距離巡航ミサイルが命中
ロシア国防省によると、ロシア海軍は日本海を潜航中の潜水艦「ペトロパブロフスク・カムチャツキー」から長距離巡航ミサイル「カリブル」を発射し、1000km以上離れたハバロフスク地方に設定されていた地上目標に命中した。
この潜水艦は2019年からロシア太平洋艦隊潜水艦戦隊(基地はウラジオストク)に配備が始まった最新版改良キロ型(プロジェクト636.3)ディーゼルエレクトリック(通常動力型)潜水艦で、同型艦配備の一番艦である。